薪ストーブは全周囲から輻射熱が放出されているため、壁面や床をはじめ、薪、家具、カーテンなどの可燃物から安全な離隔距離を確保した上で設置しなければなりません。できれば周囲に何もない部屋の中心的位置に置ければよいのですが、それができない場合周囲に移動できない可燃物があるかどうか、あるのであればどのように保護するかを検討しないといけません。
薪ストーブの炉台・炉壁
薪ストーブを水平に設置できて、上から物が落下しない場所で、壁面(可燃物)と炉壁の間に25mmの空気層(隙間)を設け、空気の循環を確保できる炉壁を設けます。そして熱から床(可燃物)を保護し、ドアを開いた時にこぼれ落ちた火の粉による焦げ付きなどを防ぐ炉台を設けます。
また本体からの熱を遮断する目的として、ボトムヒートシールドとリアヒートシールドがあります。可燃物の上に炉台を設置する場合には、下方への熱を遮断するボトムヒートシールドが必要になります。背面の熱を遮断するリアヒートシールドを設置すると離隔距離が縮まります。
薪ストーブの炉台・炉壁の材質
熱い薪ストーブから壁や床を安全に守り、インテリアを引き立てるレンガや石などの炉台・炉壁。素材によって蓄熱性が異なりますので、素材とその特徴を知った上で選択しましょう。また、薪ストーブ本体と炉台の重量を確実に保持できる床の強度が必要になります。建築士や販売店とよく相談することです。
- 天然石、レンガ:御影石や大理石に代表される美しい素材です。天然石やレンガは色や形、模様の種類が豊富で、部屋の雰囲気に合わせて選択できるのが魅力です。2つとも素材自体に厚いものが多く、温まるのに時間がかかります。しかし、一度温まると蓄熱性に優れ、緩やかに熱を放出し続けてくれます。
- タイル、擬石:施工の自由度の高さや仕上がりの美しさなどから、外壁や内装に多く使用されますが、炉台の場合は天然石やレンガに比べると材質が薄いものが多く、蓄熱性に劣ります。
薪ストーブのバリアフリー
コンクリート基礎から炉台づくりを検討した場合、床と炉台を段差なく仕上げることができるので、バリアフリーを検討する際に有効です。床面がフラットになる分、部屋に広がりが生まれます。また、基礎が薪ストーブと炉台の荷重を受けるため、安全な床を確保できます。
薪ストーブの炉台・炉壁まとめ
薪ストーブの炉台・炉壁の設計と材質選び、ヒートシールドの有無とバリアフリーを検討しよう。可燃物を保護するために炉台・炉壁を設置し、必要ならボトムヒートシールドやリアヒートシールドもつけて安全に使えるようにする。基礎に炉台工事を組み込めば、バリアフリーも可能です。
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