大学のAO入試の自己推薦書(志望理由書)を読む試験官は何に着眼して読むのでしょうか。試験官の着眼点は2つあります。試験官は自己推薦書(志望理由書)から大学・学部・学科での最低限の学びの素養・学力及び大学での自発的な学びに取り組むための意欲があるかどうかを見ます。
大学・学部・学科での最低限の学びの素養・学力
- 基本的な言語能力(文章表現力):正しい字形の表記や誤字・脱字はないか。ねじれのない文、主語・述語関係などをおさえた文など、日本語の文法を正しく使えているか。問われていることに的を外さず答えているか。
- 基本的な思考力:結論とそれを導く理由(論拠)を提示しているか。感情とともに、論理的な表現があるか。結果に至るプロセスが示されているか。
- 自発的:自分の意見や主張などがあるか。自分の考えのプロセスを示しているか。自主的なアクションを示しているか。
大学での自発的な学びに取り組むための意欲はあるか
- 本音で語っているか:大学資料をそのまま引き写していないか。型どおりの一般論でまとめていないか。意欲を具体的に表しているか。
- 興味・関心を示す証拠があるか:興味・関心を示す具体的な証拠(エビデンス)を提出しているか
- 入学後の意欲を表しているか:入学後の学びについて言及しているか。
以上の基本的な視点は書く前にあらかじめチェックし、さらに物語完成後の最終チェックでも活用します。
自己推薦書(志望理由書)作成の材料集め
自己推薦書(志望理由書)の文章化する前の作業として、必要な要素は何かをもとに材料集めをします。それらのさまざまな要素について、具体的に箇条書きしていきます。最初は当然志望大学・学部・学科などの材料集めです。大前提として志望大学の建学の精神(大学の理念)を抑えます。これがすべての起点になります。大学のホームページやパンフレットで確認します。そして志望大学・学部・学科のアドミッションポリシー(求める人物像)です。志望大学の最新の入試要項でその詳細を確認します。そしてアドミッションポリシーを正しく理解し、内容を抽象化して的を捉えます。次に今の自分を説明するための材料を集めます。1番目が過去・幼少期、2番目が現在・現在に近い過去、3番目が未来について、思いつくことをできる限り箇条書きにしていきます。また後で思い起こすことがあれば追加していきます。
次に証拠集めです。大学があらかじめ準備している質問に答えるための具体的な材料です。この証拠は面接においても、合否を決める重要な要素になります。まずは本気度を自分でチェックします。次は壁についてです。ここでは課題をみつけて行動することができるという証拠を意識的に集めていきます。最後にキャリアビジョンについてです。大学卒業後のイメージをします。これで証拠集めは終わりです。集めた物語の断片を取捨選択してつなぎ合わせればおおよそは完成します。
志望理由
- その学問(分野)を学びたいと思ったきっかけは何か。
- その分野についてどんなアクションを起こしたことがあるか。
- なぜその大学・学部・学科でなければならないのか。
- 具体的に興味・関心があるものはどういうことか。
- 志望がその大学・学部・学科に合致しているという理由は何か。
壁について
- どのようなことに取り組んできたか。
- なぜそのことに取り組んだのか。
- 活動する中で経験した壁(困難・課題)は何か。
- 壁をどうやって乗り越えたのか。そのプロセスはどんなだったのか。
- 壁を乗り越えるプロセスで気づいたこと、学んだことは何か。
- うまくいかなかったことがあれば、その理由は何か。
- うまくいかなかったことについて、どうしたら解決すると思うか。
キャリアビジョン
- 大学卒業後に何をしたいか。
- 大学卒業後にどうなりたいか。
- 具体的な進学や就職のイメージはあるか。
自己推薦書(志望理由書)の材料集めのまとめ
試験官は自己推薦書(志望理由書)から大学・学部・学科での最低限の学びの素養・学力及び大学での自発的な学びに取り組むための意欲があるかどうかを見ます。自己推薦書(志望理由書)の文章化する前の作業として、必要な要素は何かをもとに材料集めをします。
*この記事はいろいろな情報を検討し、あくまで主観で書いていますことをご了解願います。
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