居宅介護支援事業所とは、自宅で介護を受ける方とそのご家族をサポートする事業所です。居宅介護支援事業所にはケアマネージャーが常駐しています。要介護認定後に居宅介護支援事業所及び担当のケアマネージャーを決めるときには市区町村の介護保険課や地域包括支援センターに相談します。しかしそれらの職員は公的な施設の職員なので、特定の事業所のみを優遇することは言えません。また介護保険サービスを受ける上で欠かせない存在であるケアマネージャーですが、自分たちに合ったケアマネージャーと出会えるかどうかで介護の満足度が左右される場合もあるようです。居宅介護支援事業所及び所属するケアマネージャーを決めるために情報を収集して慎重に検討することが大切になります。
居宅介護支援事業所の選び方
居宅介護支援事業所は自治体から指定された専門の事業者ですので、お住まいの市区町村の介護保険課か地域包括支援センターで事業所のリストをもらいます。居宅介護支援事業所選びのポイントの一つはお住まいの近くにある事業所を探すことです。居宅介護支援を受けるにあたり、ケアマネジャーとの連携は特に重要です。緊急時にも速やかに対応してもらえると安心です。また近隣の事業所はその地域の事情に詳しいというメリットもあります。お住まいの周辺にある施設やサービスを把握していることが多いので、より良い提案をしてもらえる可能性があります。そして特定事業所加算を受けている事業所であることも大事です。特定事業所加算とは質の高いケアマネジメントを実施している居宅介護支援事業所に対して、市区町村から支払われる介護報酬が増額されることです。これにあたる事業所は24時間体制で相談を受け付けており、ケアマネージャー1人あたりの担当利用者数に制限を設けるなど厳しい条件を満たしています。居宅介護支援事業所の質を判断するための有効な目安のひとつになります。
特定事業所加算とは訪問介護事業所で算定できる加算率の高い加算の一つです。人材の質や職員の活動環境の整備等を行っている事業所にサービスの質の高い事業所を評価するという観点から加算となります。特定事業所加算にはⅠ~Ⅴ(1~5)があります。体制要件・人材要件・重度対応要件を満たす項目により算定できる加算が異なります。特定事業所加算の加算率は以下の通りです。
- 特定事業所加算Ⅰ 所定単位数の20%を加算
- 特定事業所加算Ⅱ 所定単位数の10%を加算
- 特定事業所加算Ⅲ 所定単位数の10%を加算
- 特定事業所加算Ⅳ 所定単位数の 5%を加算
- 特定事業所加算Ⅴ 所定単位数の 3%を加算
特定事業所加算を取得している事業所の割合は全体の約4割。6割程度の事業所では取得していないと言われています。特定事業所加算を取得していない事業所はの多くは利用者様の負担が増えるからという理由が多いようです。取得の予定はないという事業所も多くあります。国の進める方針と現場の考えには大きな隔たりがあるようです。しかし実際のところ取得している事業所と取得していない事業所では最大で20%の売上の差が出ます。介護事業所は特定事業所加算を取らなくては生き残れないということもまた現実のようです。
また居宅介護支援事業所には2つのタイプがあります。訪問介護事業所やデイサービス、訪問看護ステーション、リハビリセンターなど他のサービスと連携している事業所である「併設型」と訪問介護事業所やデイサービスからは独立している事業所である「独立型」です。居宅介護支援事業所は単独の場所もありますが、併設型が9割を占めています。事業所に併設しているサービスによって、その事業所がどのような強みを持っており、どのようなのかケアマネジャーが多いのかが推測できます。利用者が医療を必要とする場合は訪問看護ステーションが併設されている事業所を選ぶなど、希望するサービスに合致するかを念頭において選ぶとサービスとの連携がスムーズになります。居宅型を希望する場合、併設しているサービスをしっかりチェックすることが必要です。どの事業所を選んで良いかわからない場合は市区町村の窓口や地域包括支援センターで相談することも可能です。
居宅介護支援事業所の選び方まとめ
居宅介護支援事業所を選ぶために情報を収集して慎重に検討することが大切になります。一つ目はお住まいの近くにある事業所を探すことです。二つ目は特定事業所加算を受けている事業所であることも大事です。三つ目は併設しているサービスをしっかりチェックすることです。
*この記事は作者の主観で書いています。内容についてはしかるべき情報の確認をしてください。