ダイニングテーブルの幅・奥行き・高さのサイズを決めて、材質や塗装も決めました。最後は椅子です。毎日座るダイニングテーブルの椅子ですから、健康的で姿勢もよくなるような椅子を選びたいものです。ですからダイニングテーブルは安全性や気持ちよさを重視します。椅子だけは値段が高くてもいいのでいいものを選びたいと思います。
ダイニングテーブルの椅子
ダイニングテーブルの椅子の座り心地などを検討する前に、最低限押さえておきたいポイントがあります。まず椅子の座面の高さです。ダイニングテーブルの高さに対して椅子の座面が高すぎると、足を入れる空間が狭くてちょっと窮屈な感じがします。逆に座面が低すぎると座ったときに天板が高く感じられ、食事がしづらくなってしまいます。程よい高さの椅子を選ぶコツはずばり「天板の高さ - 座面の高さ = 27~30cm」になることです。例えば天板の高さが70cmの場合、「70cm - 27cm = 43cm」となるので、座面高40~43cmの椅子を選びます。多少の個人差はありますが、差尺27~30cmを目安に椅子を選ぶと高すぎず低すぎず、快適にごはんを食べることができます。
次に着目するのが肘掛けの高さです。肘掛け部分がテーブル下に収まる高さかどうか、事前にしっかりと確認しておきます。中でも特に注意したいのが、天板下に幕板(まくいた)と呼ばれる補強板があったり、引出しが付いていたりする場合です。天板一枚のテーブルよりも肘掛けが当たるリスクが高いため、念入りな確認が必要です。肘掛けが当たってしまいそうなときはアームレスタイプのチェアーを選ぶと安心です。そして4人以上でダイニングを囲む場合に
確認したいのがチェアーの横幅です。横幅が広すぎるとテーブルの脚と脚の間にチェアーが収まらなかったり、隣の席との間が狭すぎたりしてしまいます。一般的な4人掛けのダイニングセットは、「脚間 - 2脚分のチェアー幅 = 20~30cm」となっています。
椅子の座り方には二つの姿勢があります。背筋をピンと伸ばす「万能な作業姿勢」と、背板にもたれかかる「くつろぐ姿勢」です。店頭で椅子に座る際は2つの姿勢を試さなくてはなりません。背筋を伸ばして座ることは筋力が必要で疲れやすいのですが、楽に背筋を伸ばせる椅子は食事や勉強に向いています。背筋を伸ばすとご飯を食べる時によく噛むようになり、効率の良い消化吸収が出来る姿勢になります。また血流が良くなり頭がすっきりして、集中力が高まります。ダイニングでゆったりと食事やお酒を楽しんだり、本を読んだり、くつろいだりしたいなら、背もたれが後ろに傾き、リラックスして座れる椅子があります。椅子には2つの座り方があり、リビングダイニングでの過ごし方によって座り方も異なります。食事をした後、ソファでくつろぐなら、食事をすることを重視して、背筋をピンと伸ばして楽な椅子が良いですし、ダイニングで過ごす時間が長いのなら、くつろぐことができる椅子にします。椅子選びはリビングダイニングでの過ごし方を考えることでもあります。
次に背もたれが低めのローバックタイプと背もたれが高めのハイバックタイプがあります。ローバックタイプは背もたれが低いので室内の視界をさえぎることがなく、すっきりした印象になります。配膳も楽にできます。しかし長時間座る場合には疲れやすくなります。ハイバックタイプは背もたれが高いのでゆったりともたれかかることができます。またレストランのようによりフォーマルな食卓の雰囲気を演出できます。しかし背が高いのでコンパクトな室内では圧迫感が生まれます。配膳や片付けの際にチェアの背後からでは動作がしづらくなります。
ダイニングチェア、 座面の種類は木、又は布・革張りのものがほとんどです。まず張地(布・革)のメリットは張地の色、素材が選べて、張替えができ、クッション性が高い(お尻が痛くなりにくい)です。デメリットはシミ、汚れが付きやすく、長期間使用し擦れから表面の生地がほつれてくる場合があります。 また中身のウレタンクッションの劣化でヘタリが生じ、数年後には張替えが必要になる場合があります。次に板座のメリットは汚れてもサッとふけ、メンテナンスできれいな状態を保てます。丈夫で座面に座りがいいように加工してあると座り心地が良く、オイル仕上げなら経年での変化を楽しめます。デメリットは硬く(長時間座るとお尻が痛くなる)、冬場はクッションが必要です。また全体が木なので比較的重いです。ウッド製のダイニングチェアは木ならではのナチュラルでしっかりとした質感を楽しめるのが魅力です。時間の経過とともに味が出る、経年変化が味わえるのも特徴です。ダイニングにあたたかい雰囲気を演出できます。ただし素材の印象が全面に出るため、部屋の雰囲気にそぐわないこともあります。布・革張りのチェアは数年~十数年で張替えが必要になる場合がほとんどです。それは中身のウレタンクッション材は経年でヘタリ、劣化が生じ、また張地も擦れから生地がほつれてくる場合があります。板座の椅子でも座面に「座ぐり加工」というお尻の他たちにフィットするような座りに拘った椅子があります。もし木の座面が冷たい、座り心地が固いので座面に座布団やクッションを置くなどの工夫が必要です。
ダイニングチェアにアームレスト(肘掛け)があると、腕を置いてリラックスできます。背もたれに寄りかかるときもアームレストに腕を置けば安定感が増し、安心して背中を預けられます。立つときにも、アームレストがあれば立ち上がりやすいのも魅力です。ダイニングチェアにはアームレストが付いていないモノもあります。アームレストなしタイプはシンプルな構造の製品が多く、どのような雰囲気の部屋にもマッチしやすいのが特徴です。ダイニングテーブルとも合わせやすくなっています。腕を置く場所がなくても特に不自由を感じない方はアームレストなしタイプで十分です。
ダイニングテーブルの椅子まとめ
毎日座るダイニングテーブルの椅子ですから、健康的で姿勢もよくなるような椅子を選びたいものです。ポイントはダイニングテーブルに対する座面の高さ、横幅、肘掛けの高さです。種類もローバック・ハイバックタイプ、座面の板座か布・革張り、肘掛けの有無などです。
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