農・水産学系統は自然の恵みを最大限に活かし、人間の生活に必要な食糧、材料を得るための技術を研究するのが、この学問系統です。特に農学は、バイオテクノロジー研究の中心となっていることから、人気が高まっています。なお、獣医師を目指す獣医学科は6年制です。農学部では生物学を基礎にした農学を中心とする教育が行われます。農学、園芸学、畜産学、農芸化学、農業工学、農業経済学、国際地域開発学、資源生物科学、応用生命科学などなど…非常に幅広い分野の教育・研究がなされています。また農場や実習林を保有し、実習に利用している大学も数多くあります。近年は地球規模の環境破壊、途上国を中心とした食糧危機といった深刻な問題が広がっています。そのような問題を解決することを中心的な目的とし、さらにはバイオテクノロジーなどの先端科学を研究します。農業および農業をルーツに発展してきた産業や領域についての研究や、品種の改良や害虫対策をはじめとする栽培技術、事業として継続させるための農業経営、行政による支援のあり方を問う農業政策などを通じて、「人と自然が共生するための方法」を研究しているのが農学部です。環境問題が騒がれている昨今、農学は今もっとも注目されている学問です。動植物が好きであることはもちろん大事ですが、理工系の知識も多く用いるので、理科や数学に対して抵抗がないことも大事です。また調査や飼育など自然の中で作業することも多いので、体を動かすことが好きであることも農学部では大切になります。
大学の農・水産学系統の学部
農学
農学部は食糧の安定的な供給を目指しその手法を多角的に研究します。農業に関わる理論と技術を研究し、環境保全に寄与します。農学とは食料となる穀物や野菜、動物、さらには住居や衣服となる植物など、私たちが生活のために利用するあらゆる生き物を対象に、その生産から販売の各過程について研究する学問です。育てて消費するというだけでなく、それが将来にわたって持続可能になるよう、さまざまな角度から探究していきます。農業実習や加工実習、フィールドワークなど、実体験を通じた学びが多いのも特徴です。農学で学ぶ知識の範囲は非常に幅広く、研究対象も農作物そのものに留まらず農業に関する経営や政策に及ぶこともあります。農作物の生育など、農作物そのものについて学ぶのが栽培技術です。品種改良や病害虫対策の研究を通じて栽培方法を学び、必要に応じて実習を行うこともあります。農業経営では、事業としての農業に着目し、より効率的に農作物を生産する方法や事業としての継続性について研究します。農業政策においては、農業に関する国や自治体の政策を考えることを通じて、農業が社会とどのように関わっているのかを探究していきます。農学はバイオテクノロジーに代表される応用生命学や資源生物学といった分野の学問とも親和性が高く、これらの学問の知見を応用して農業に活かす手法を研究することもあります。
森林科学
森林科学は森林をさまざまな観点でアプローチし、その有効的な活用を研究します。森林資源の保護・育成、有効な利用法を研究します。森林科学は、森林のさまざまな機能を保護・再生することで森林資源、及び地球環境の保全を図り、これを継続的に生産・利用する技術や理論を学んでいく学問です。森林資源の生産と活用、環境の保全を目的として、樹木の名称・特徴・生態を把握していく樹木学、材質の遺伝子の改良など造成の効率を高める技術を学んでいく造林学、森林や林業が国民経済に与える役割を経済学的に学んでいく林政学、植物や樹木の生理現象を解明する、植物生産の基礎研究を学ぶ農林生理物理学、環境保全機能や木材生産機能を備えた森林の育成法を研究する森林経理学、野外演習を中心に、森林生態系の原理とその構造変化を考察する環境システム学などがあります。樹木の形成、組織構造などの木質の生物学的な理解と応用を学ぶ木材生物学、樹木の強度など木質の物理・工学的な理解と応用を学ぶ木材工学 、パルプ化、プラスチック化など木質の化学的な理解と応用を学ぶ木質資源化学、酸性雨、バイテク技術などの森林の生物・化学的な理解と応用を学ぶ森林化学などがあります。
水産学
水産学は漁業や養殖、食品加工など、海や川に棲む生物資源の有効活用を考えます。水産生物資源の保護・育成、有効な利用法を研究します。水産学は、実験や実習を通して、魚や藻類など海や河川の生物資源の育て方や獲り方、加工の仕方を科学的に探っていく学問です。水産学は、大きく分けて漁業学、増殖学、食品生産学の3つに分類されます。漁業学は海洋生物の生態について調査し、分析結果をもとに漁場や漁獲量を適正に保つことに役立てることを目指します。増殖学では、養殖に代表されるように水産資源を効率的かつ持続的に生産する方法について研究が進められています。食品生産学では、水産物を食品として利用するための技術について研究し、改良や新たな手法の開発について探求します。近年では漁場探索に人工衛星の技術が応用されたり、養殖にバイオテクノロジーが導入されたりと、水産業に最新鋭の技術が取り入れられ、より効率的で適切な生産方法の模索が進められています。このように、最先端の技術を水産業に取り入れる手法についても学びます。
畜産学
畜産学は、実験や実習を通じて、おいしい肉や牛乳、品質のいい革製品などをいかに効率よく生産するか、つまり、人間の生活を豊かにするための動物生産を研究する学問です。動物機能開発は家畜の繁殖過程とその生理的機能を学ぶ家畜繁殖学、家畜の体内機能や形態、代謝生理なとを学ぶ家畜生理学、家畜の遺伝や育種を研究していく家畜遺伝・育種学などがあります。動物生産・利用は食品・皮革・医薬品としての加工方など家畜の動物生産物への開発と利用を学ぶ動物資源利用学、家畜の衛生管理、環境整備、微生物制御などを学ぶ家畜管理学、家畜の衛生管理、環境整備、微生物制御などを学ぶ家畜管理学、家畜の生産システムや生態系の保全を学ぶ家畜生産学、家畜のエサとなる肥料資源や肥料の価値について学んでいく家畜栄養学などがあります。
獣医学
獣医学は家畜やペットの病気の治療、予防学について学び、獣医師を目指します。動物の病気の診断や予防、動物生産の効率化や高度化を研究します。獣医学は、家畜やペットの病気の診断や予防、治療の在り方を研究していく学問です。獣医学は基礎獣医学、臨床獣医学、応用獣医学の3分野に分類することができます。動物の診断・治療や品種改良を扱うためには、生物学をはじめ、医学や薬学、動物学といった幅広い知見が求められます。とくに1・2年次においてはこれらの学問の基礎的な部分を学びながら、専門分野を学ぶための土台を作っていきます。理論に留まらず、臨床実験や解剖といった実習も交えながら、獣医師として必要な技能面も研鑽を重ねていきます。また、動物の細胞や組織の作りや寄生虫病の原因や病態、動物の繁殖を制御する方法など、獣医学で扱う研究分野は多岐にわたります。これらに関する知見を得ながら、獣医師国家試験の勉強を並行して進めていくことになります。
大学の農・水産学系統の学部の卒業後
農・水産学系統は多数が官公庁、農・水産試験場、食品業界、薬品・化粧品メーカー、園芸関係などに就職します。近年は流通や販売についても学ぶため、そうした強みを生かす道もあります。金融、商社など進路が多様化しています。獣医学系は、動物病院や官公庁の獣医師となる人が多くいます。目指せる資格は中・高校教員免許、食品衛生管理者、食品衛生監視員、測量士(補)、獣医師など。
大学の農・水産学系統の学部まとめ
農・水産学系統は自然の恵みを最大限に活かし、人間の生活に必要な食糧、材料を得るための技術を研究するのが、この学問系統です。バイオテクノロジー研究の中心にもなっていることから、人気が高まっています。農学、森林科学、水産学、畜産学、獣医学などがあります。
*この記事はいろいろな情報を検討し、あくまで主観で書いていますことをご了解願います。
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