耐震シェルターは命を守ってくれる空間が安く、引越しなしで手に入る

一定の広さがある一戸建て住宅を、基準強度にに耐震改修するには大きな工事費用がかかり、それが耐震改修を遅らせています。それならば家全体ではなく、限られた部分に効率よく耐震性能を持たせる空間を設置すれば、費用も少なくて済むのではないか。家の中の一室のみに集中的に費用を投入して、堅固な耐震能力を持つ「命を守ってくれる空間」を手に入れるという考えが耐震シェルターです。

シェルターとは「緊急時に命を守ってくれる避難小屋」といった意味に使われています。「核シェルター」という言葉はおなじみですが、火山の噴火に備える「待機シェルター」など、合成語として様々な場面で使われています。そして「耐震シェルター」という言葉もかなり使われるようになりました。しかし「どんなもの?」と聞かれれば、一般的には漠然と「地震のときに身を守ってくれる」と思われているくらいでしょうか。耐震シェルターは、既設の家の中に、小さいながら地震で壊れない強固な空間を作ることによって、人の命を守るという理念から生まれた工法です。寝室など長時間過ごす部屋一室に工事を行います。地震のとき、昼間では逃げられる可能性は大きいけれど、夜間寝ている時では可能性は少ない。寝室空間一室をのみを堅固にすることで命は助かるという一室に特化した耐震方法なので、費用の点でも家全体を耐震化するより安く済みます。



昨今地震が多発しているなか、いつ起こるか分からない地震に備えて家の中に耐震シェルターを作っておきたいとの要望は徐々に増えているのも確かです。また耐震性能を高める耐震改修工事においても、全体的なやり方では工事費がかさむので、小空間に施工する耐震シェルターの方が実用的になっているとも言えます。耐震シェルターの構造体は①鉄骨系、②木質系、③混合系(①と②を併せた構造)を主体に開発されています。いずれも堅結には耐力が保障された固定金物が使用されます。工法は基本的な方針としては大きく2分されます。シェルターを既存構造体から完全に独立させるか、既存構造体から独立していなくても、シェルターは壊れない構造とするのどちらかです。そして、地震が収まったあとすみやかに避難が出来る開口部への配慮がされています。

耐震シェルターも開発が活性化して徐々に実用化が進んでいます。まだ歴史の新しい、発展途上の技術なので、耐震シェルターは工法としての明確な定義が定められていないなどの不確定な部分もあります。不良工法への懸念もあります。責任施工はもとより、保証期間を義務づけることが必要なケースもあるかもしれませんので、十分実績調査をしたうえで工法を選ばないといけません。開発者は使用材料と工法の安全性を高める実験を重ねて、公的認定を受ける努力を続けています。多くの自治体では、公的認定を受けた耐震シェルターに対して、耐震改修費助成金制度を適用しており、徐々に浸透しています。耐震シェルターのメリットは家全体の耐震補強工事より安価な耐震対策ができ、部分的な工事なので引っ越しも不要で短期間で完了することです。何よりも予算の少ない割に安心感が大きく、命を守ってくれると思えば、決して高い買い物ではありません。

耐震シェルターの補助制度

耐震工事の補助制度を利用する場合、自治体は補助の対象に一定の基準を設けていますので、その基準に外れた物件は受け付けられません。古い木造住宅では、このハードルを越えられないケースが意外に多いのです。またそこに住む人は高齢で収入も少ない場合が多く、そうした人達にこそ補助の手が差しのべられるべきなのに、置き去りになっています。耐震補強が待ったなしの緊急事態であることを考えると、もはや補助制度に頼らなくてもやれる費用負担の少ない方法である耐震シェルターという選択肢にも一考の余地があると思います。

下記はある自治体の補助対象になる耐震シェルターの一覧です。ここでは60万円を上限に補助があるようです。

部屋の中に部分的に設置する手もありますが、昔ながらの伝統構法住宅の一室(8畳)に耐震シェルター設置を考えています。頑丈な鉄骨系の耐震シェルターの耐震TB耐震シェルター「鋼耐震」、耐震シェルター レスキュールーム、シェル太くん工法、シェルキューブを検討したいと思います。

耐震シェルターのまとめ

耐震シェルターは家の中の一室のみに集中的に費用を投入して、堅固な耐震能力を持つ「命を守ってくれる空間」を手に入れることができます。耐震シェルターのメリットは家全体の耐震補強工事より安価で、部分的な工事なので引っ越しも不要で短期間で完了することです。

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