家づくりの自然・健康住宅を目指すには木材の特性を知ることが大切!

家づくりの素材としてあたりまえのように木材を検討します。現代的なコンクリート住宅や丈夫な鉄骨住宅もありかと思いますが、自然住宅や健康住宅を目指すのであれば、やはり木造の家を選択することになるかと思います。でもなぜ木造の家がいいのかということについて漠然としかわかっていません。ここは一度家づくりの初心に戻って、木がなぜいいのかを整理して理解したいと思います。木の持つ特性を知っているのと知っていないとでは家づくりを進める上で大きな違いが出てくると思うからです。

建材としての木材の特性

木材の凄さや良さは何と言ってもその時折で変わる手触り感にあります。同じ1枚の板が、夏はジメジメした湿気を引き受けてさらっとした手触りになります。冬は他の素材にはない温もりを感じさせてくれます。自然の材料ならではのものです。少し情緒的ではありますが、この実感が木材のいろいろな優れた性能を象徴しています。健康的で快適な住まいをつくるためには、温度・湿度の急激な変化や、光・騒音・振動などの刺激が少ないことが大切です。木造の家は夏に涼しいと言われます。木材の断熱性はコンクリートに比べて17倍も高く、約2.5倍も冷めにくいためです。だから夏の昼間も気温が上がりにくくなります。また木材には室内の湿度をほぼ一定に保つ性質があります。次に木材は光を乱反射させるので、まぶしさを減らします。そして短い波長の光を多く吸収するために、有害とされる紫外線の反射が檜の場合で5%程度と少なく、目に優しいそうです。反対に赤外線のように長い波長の光はよく反射するために、ほとんどの木材は黄赤系の色として人に知覚され、それがイメージを暖かいものにしています。室内における音も快適さを左右します。木材は多孔質なので室内の音をよく吸収し(コンクリートの2~4倍)、反響がまろやかです。また木材には適度な柔らかさがあるため触感がよく、衝撃を吸収します。そのため、歩行時の疲労感が少なく、転んでもケガしにくくなります。



さらに健康にも有利です。木から発散される成分(揮発性の化学物質、おもにテルペン)に精神安定作用があることは広く知られています。また米松や檜、米杉、ヒバの精油がダニの行動や繁殖を抑制することが検証されています。ある環境が生命にとって快適かどうかは、発育や生存率からも判断できます。木材とコンクリート・金属で作った同じ大きさの箱の中にマウスを入れた実験が有名ですが、木製の箱がマウスの生存率が大幅に高く、発育も早いことが確認されています。次に木造の床で過ごした場合、コンクリートの床より手の指や足先の体温低下が少ないという実験結果があります。気温30度では素材による違いは少なかったものの、10度になると大きな差が出ました。この実験から、気温が低いときには木造のほうがはるかに居住性に優れている事実がわかります。小中学校で鉄筋コンクリート校舎と木造校舎では、疲労度も違っていました。鉄筋コンクリート校舎のほうが木造より疲労の自覚を多く訴えました。少なくとも自覚症状においては、木造のほうが疲労度が少ないと言えます。こうした木材の性質と健康・安全との関係を下記にまとめました。

  • 紫外線を吸収、光を乱反射する→目が疲れにくい
  • 自然な色合い→精神を安定させ、目の疲れを減らす
  • 湿気を調整する→呼吸器や皮膚への刺激が小さい
  • 適度な固さ、柔らかさ→皮膚、関節、骨への衝撃が小さい
  • 比熱が大きい→熱変化による皮膚への刺激が小さい
  • 多孔質で、通気性がある→有害物質のフィルター効果
  • 適度な断熱性→冷幅射が少なく、体温を奪わない
  • 芳香がある→精神安定作用

木材は再生産や再利用、廃棄など環境への影響面においても優れています。腐る、燃えるという性質がしばしば問題視されますが、環境への負荷を考えれば、これは大きなメリットでもあります。腐るから土に返るし、燃えるので廃棄しやすい(ただし、薬剤が染み込んでいれば汚染の原因となる)からです。しかも植林で再生産しやすいので、ムクの木材はまさに理想的な循環型資源と言えるでしょう。さらに樹木は空気中の二酸化炭素を吸収し、固定する能力があります。古い森林はその能力が衰えるので、伐採して新しく植え、森林を育てながら上手に木材を利用することで地球環境への影響を少なくできます。

建材としての木材の特性まとめ

家づくりで木がなぜいいのかを整理しました。木材は断熱性が高く、湿度をほぼ一定に保ち、まぶしさを減らし、反響がまろやかで、触感がよく衝撃を吸収します。木材は精神安定作用やダニを抑制します。木造は居住性がよく疲労度が少ない。木材は理想的な循環型資源です。

参考:健康な住まいを手に入れる本
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