家づくりはいろいろなことを決めないといけません。建築士が全て得意なわけではありません。お任せになっていると、後でこうすればよかったと後悔することにもなりかねません。決定は自分でするしかありませんが、一生に一度のことで失敗は許されません。私が数年かけて検討した事項をまとめてみました。ログハウスは平屋がいいでしょうか、ロフト付き平屋でしょうか、それとも総2階建てでしょうか。結論から言えばロフト付き平屋です。
ログハウスの平屋
なぜでしょうか。それは2つ理由があります。一つ目は耐震性の問題です。ごく当たり前のことですが平屋の方が高さが低く、かかる荷重も少ない。このことは耐震性を検討する時のそもそも論であり、もっとも重視してしかるべき話だと思っています。2階建てで耐震性をよくする対策をいろいろ考える前にその選択肢がないか考えるべきです。平屋の弱点はやはり床面積が少なくなり、平米あたりの建築単価が高くなることでしょう。それでも2階建てを建てる費用を投入する気であれば、2階建ての1階部分の床面積よりは1.5倍程度は確保できるのではないでしょうか。更にロフト部分を付け加えれば、子供室の寝床や収納として使えるため、その分1階部分に必要な床面積が多少軽減されると思います。またそのロフトを天井が低くても構わない玄関や台所・浴室などの上にすればログハウス自体の高さを抑えられます。その結果全く平屋と変わらない高さにもできます。
ログハウスの高さにこだわる理由
そこでなぜこれほどログハウスの高さにこだわるかと言えば、耐震性の問題ももちろんありますが、一番のメリットは維持管理が楽になるということにあります。ログハウスは維持管理が大変だとよく言われます。その理由でログハウスをあきらめる人達が多くおられます。確かに維持管理が大変なんです。ログハウスを建てる上でまずそこはおさえないといけないポイントです。これをいい加減にして建ててしまうと後で大変なことになります。ログハウスに限らず家はいつも風雨にさらされています。そのため普通の住宅でも早くて10年長くて20年くらいでのメンテナンスが必要になります。そうしないと痛みが激しくなり、家自体が長持ちしなくなるのです。ログハウスの外壁は無垢の木ですが、風雨から守るためにより短期間でメンテナンスが必要になります。メンテナンスで家の低い部分は簡単ですが、2階部分については足場が必要になります。となると自分ではできないわけで、どうしても業者に頼らざるを得なくなります。大きいもので1回200万円くらいかかるようです。そんな車1台買えるような金額で5年間隔で必要になるのです。建てる時にこの負担についてあまり考えない方もいると思います。ですがこれをしないとログハウスの寿命も短くなってしまうためやらざるを得ないのです。もし平屋であれば低いので自分でやろうと思えばできます。業者に頼む必要もなくなります。ログハウス業者はその特殊性からメンテナンスも引き受けることが殆どです。ログハウス1棟建てれば、そのメンテナンスを半永久的に請け負うことができます。そのことを業者は最初から織り込んでいます。そのため標準的な2階建ての屋根のとんがったログハウスを推奨します。ここは業者の言いなりにならないで、将来の負担を考えて多少建築単価が高くなり、床面積も多少狭くてもロフト付きの平屋にするべきと思います。
ログハウスの平屋を実現する他の対策
それでも床面積が少なく十分な広さが2階建てより取れないとなれば、水回りを外にだしたらいかがでしょうか。水回りと言えば浴室、トイレ、台所ですが、台所は外に出すわけにはいかないので浴室とトイレとなります。この2つを在来工法の安価な建て方でログハウスの横につけるのです。家は水回りのところが早く痛みます。その意味でも水回りを外に出すことは一石二鳥となります。もし痛みが激しくなってもそこだけを建て替えれば済みます。ログハウスは簡単には建て替えれませんが在来工法であれば可能です。また収納も増やしたいとなれば、パントリーなども同じように外に出せばいいです。これで居住空間のゆとりが生まれると思います。
ログハウスのまとめ
ログハウスは自然住宅で耐震性にすぐれ、普通の住宅よりはるかに長く住むことができます。しかしこれは適切なメンテナンスをしていればの話です。建築時にはメンテナンスにかかる費用まであまり気が回りませんが、絶対に重要視すべき事項であることは間違いありません。
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