家を建てるときに収納をできるだけ多くしたいとみんなが考えます。確かに収納が多いに越したことはありません。しかし無駄な収納を作らないように気を付けなければなりません。特に間取りを考えているときに、空いている空間があった場合にやみくもに収納にしておけばいいやとなりがちです。ここは本当に収納が必要かどうかの原点に戻って考える必要があります。
収納の基本
収納の出し入れだけのために人が前に立つスペースは無駄なので、部屋の一部として兼用にするという考え方が基本です。クローゼットは奥行を取らずに、全開あるいは引き戸タイプで、出し入れは外から行うようにして、内部全てを収納に使えるようにすべきです。部屋の家具は壁につければ、出し入れのスペースは部屋の一部と兼用になります。また廊下の壁全面を収納にすれば、出し入れするスペースと廊下自体を兼用にすることができます。廊下を歩いているときに、誰かが何か出し入れをしていて邪魔で通れなくなるのではという心配があります。そんな偶然が日に何回あるでしょうか。月に1回あるかないかの事象ではありませんか。そんな頻度の少ないことのために、ただでさえ少ない床面積を使うのはばからしくありませんか。このように床面積を節約することによって、建築費も下げることが可能になります。また間取り図が平面である影響でしょうか、高低という意識を忘れてしまうことがあるようです。間取り図の段階で立体的に収納を考えることも重要です。
収納の造り付け
LDには本当にたくさんの物を置くことになります。どこの家でもLDには物があふれています。LDに収納がないと、結局物入れや収納ケースなどを買うことになり、お金もかかりますし、見栄えも悪くなります。LDにあるものは比較的小さなものが多いので、奥行き30cmくらいでも構わないので、必ずLDに造り付け収納を計画しましょう。みんなが居るLDが一番汚れるので、掃除機はLDの収納に入れ場所を造りましょう。掃除機は納戸のような収納に入れておくことが多いですが、そこからLDまで運んで、使った後またしまいにいく労力は無駄です。全ての物を「これはどこに収納しれば一番良いのか?」ということをよく考えて収納計画をすることが大切です。また地震対策上も転倒の危険がある高い家具を置くのは感心できません。造り付けならば転倒の危険もなく安心です。また造り付け収納が壁一面にある場合は、通風のことも考えて、どこかに風が抜ける場所を設けておくといいと思います。ただ予算的に造り付けが難しいということであれば、とりあえず計画だけはしておいて、後付けできる空間を用意しておきましょう。
収納の扉
収納には必ず扉あるいは引き戸をつけましょう。オープンな棚はすぐに埃が溜まります。棚の奥まで拭き掃除をこまめにしないといけません。閉じていれば埃は入りません。中の整理は必要ですが拭き掃除は殆ど不要で手間がかかりません。次は扉をガラスにして中を見せるかどうかです。見せるための収納はものの美しさを見せることによって空間を豊かにする装飾的な意味があります。また見せることで、そのものの収納場所が即、判別できるため取り出すのがスムーズです。本や食器などは見せるものの典型です。全然見せる収納がないのも寂しい気がします。少しはガラス扉あるいは引き戸にして中を見せる収納も欲しい気がします。
収納まとめ
収納の出し入れするだけのスペースは作らない。LDはものが多いので必ず造り付け収納の計画をしよう。オープンな棚は埃がたまるので掃除が大変。これをどこに収納すれば一番良いのかを常に考えて収納計画を立てよう。見せる収納と隠す収納を使い分けよう。
参考:成美堂出版 安らぐ家は「間取り」で決まる
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