家づくりはいろいろなことを決めないといけません。建築士が全て得意なわけではありません。お任せになっていると、後でこうすればよかったと後悔することにもなりかねません。決定は自分でするしかありませんが、一生に一度のことで失敗は許されません。私が数年かけて検討した事項をまとめてみました。今回は照明です。ここでおさえておきたい事項は何があるでしょうか。
照明の位置
照明器具そのものは、ほとんどの家で部屋の中心についています。リビングや和室であればそれでいいと思いますが、しかし何か特別な行動をするような部屋、例えばトイレや勉強室といったところでは注意が必要です。大便所の場合は本なども読めるように、座った位置の少し前方がベストです。小便所なら便器が明るく見えるよう、立つ位置の少し前方です。勉強室なら、机の上で字を書くときに頭や手の影にならないように注意ください。ほんの些細なことに思えますが、照明の位置は中央につけておけばいいというわけではなく、それぞれの部屋で最も適切な位置があるはずです。こういうところまで繊細に設計することにより、使いやすい家ができ結果的に満足できるものです。
照明スイッチの位置
ほとんどの家では、照明スイッチの位置は床上120cm~140cmくらいになっています。これは昔からの習慣でただそうなっているだけだそうです。施主の生活様式にもよりますが、床上1m前後のところに設置したらと思います。その理由ですが、まず1mの高さの方が楽です。120cm以上だと少し腕を上げないといけません。何も理由がないなら少しでも楽な方がいいと思います。更にお年寄りや車いすの人にも楽ですし、子供でも手が届く高さだからです。
コンセントの位置
まずコンセントをどこにつけるかですが、場所にもよりますが、まず窓のある壁はつけたいところです。その理由は、窓のない壁には家具などを置く可能性が高いからです。設計段階でどういった家具をどこに置くのか、あらかじめ決めておき、配線計画をすればうまくいきます。
次にコンセントの高さですが、多くの家を見ていると、コンセントは床上20cmくらいです。これもスイッチと同様に、昔からの習慣でただそうなっているだけで深い理由はありません。何のために使うコンセントなのかよく考えれば、おのずと決まってきます。ずっと差し込みっぱなしのところなら、低くても構いません。しかしちょくちょくコンセントを抜き差しするようなところでは、腰を曲げずに、そして家具などを動かさずに済む高さにつけます。
勉強机などを置くところには、机の上あたりに付けましょう。机の高さは大体75cm~80cmがふつうですから、コンセントは90cmくらいにつけると便利です。廊下のコンセントはほとんど100%の確率で、掃除機のためにあるようなものです。掃除機をかけるときは、あっちこっち移動するので、必ず腰を曲げずに差し込むことのできる高さに付けましょう。しかし「高いところにあると変じゃない?」という人もいます。しかし、ほとんどの人は気づきません。何の違和感もありません。
照明、スイッチ、コンセントのまとめ
照明、スイッチ、コンセントの位置は最も適切な位置があります。習慣にとらわれずに一つずつ考えて決めることが大切です。照明は中央がいいとばかりは言えません。照明スイッチは100cmのところが一番楽です。コンセントは掃除機などでよく使うのであれば高いところが便利です。
参考:成美堂出版 安らぐ家は「間取り」で決まる
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