スイッチは、各回路を通じて流れた電気が端末部分でON/OFFする装置です。ほとんどの電化製品は本体にスイッチ部が付属されていますが、照明器具や換気扇のように天井などに取り付けるものは、本体と切り離した形で最も操作しやすいところにスイッチ部を設けるスタイルになっています。
照明のスイッチ
スイッチはオン・オフのみの行う最もオーソドックスなタイプが基本です。「ほたるスイッチ」は消灯した後でもスイッチの設置位置が判るように小さな光を放ちます。個室はもちろん、廊下や階段、それにリビングやダイニングといったスペースに最適です。ほたるスイッチの仲間には、点灯中は赤、消灯すれば緑の光を放つ「パイロットスイッチ」もあり、消し忘れを防ぐのに役立ちます。照明用のスイッチには、明るさを調節できるタイプもあります。「調光スイッチ」がそれで、白熱灯の明るさを無段階に調節でき、むろんON/OFFもできます。光のコントロールで一種のムード照明として機能するスイッチです。寝室やリビング、ダイニングなどに最適なスイッチと言えるでしょう。
玄関用のスイッチとして「遅れ消灯スイッチ」や「熱感自動スイッチ」があります。「遅れ消灯スイッチ」というのは、来客が帰る時、玄関のスイッチをOFFにしても設定した時間(0~約5分)の間、点灯しているというものです。いわば来客への気配りスイッチといえるでしょう。「熱感自動スイッチ」も便利です。これは、人の体温による温度変化を感じて自動的に点灯し、人が遠のくと消灯するというものです。いわばスイッチ操作をしなくてもスイッチ機能を果たすセンサー内蔵のハイテクスイッチで、消し忘れ防止にも役立ちます。玄関以外にトイレなどにも適しています。自動点滅できるスイッチで最も便利なのが、門灯やポーチライトなどの屋外照明の場合です。光のセンサーによって反応し、明るい昼間は消灯、暗くなれば点灯するというものです。ただし、屋内からも手動で点滅できるようにしたいという人は、「EEスイッチ手動押釦」を付けておくと便利です。
「3路スイッチ」は階段の上からでも下からでもON/OFFできるスイッチです。なぜ上の方で消した状態なのに、下のスイッチを点けると点灯するのだろうか。それは上と下のスイッチ同士が連結しているからです。上のスイッチと照明器具で1路、下のスイッチと照明器具で1路、三つ目の路として上と下のスイッチがAとBの2本の線で結び合っています。仮に下のスイッチがA線と結合状態の時、上のスイッチで点灯するならばB線からA線に切り替えればよいわけです。さらに、下のスイッチで消す時はB線に切り替えられ、同時にA線とは断絶状態になります。再び上のスイッチで点灯する時は、A線からB線に切り替わって点灯されます。互いのスイッチがAライン、Bラインと切り替わることによって、点滅される仕組みになっています。従って3路回路の場合、普通の点滅機能のスイッチと違って、点滅のラインが切り替わるスイッチだと思えばよいわけです。
換気扇のスイッチ
スイッチには照明用の他に換気扇用もあります。換気扇を設置するのは、キッチン、浴室、トイレなどですが、キッチンの場合には、機器自体が手の届く位置にあることから本体にスイッチが付けられています。トイレや浴室では天井に換気扇を設置する関係からスイッチを切り離した形で出入り口のドア付近の壁に、照明用スイッチといっしょに設置します。トイレでの換気扇の役割は、臭いを排出するのが主であり、換気するのにあまり時間は掛かりません。いっぽう浴室では室内の湿気を取り除き、カビなどの発生を防ぐ役割を担っており、時間的にもトイレのように短時間で済むものではありません。いずれにしても、両者ともに換気扇の運転時間をコントロールすることがテーマです。
換気扇用スイッチの中には、こういった運転時間をコントロールできるタイマーを組み込んだタイプがあります。トイレ用では、照明の消灯に連動して換気扇をストップさせることができるタイプがあります。トイレに入る時、照明と換気扇のスイッチを押します。出る時は照明用のスイッチだけを切ります。むろん換気扇はそのまま作動し続けていますが、設定した時間(最長5分間)がたてば自動的にストップするというものです。トイレの換気扇の消し忘れ防止に役立つスイッチです。浴室用にはタイマー機能付き浴室換気スイッチがあります。あらかじめ設定した時間(120分~0分)になれば、換気扇がストップするというものです。
スイッチのまとめ
スイッチは、各回路を通じて流れた電気が端末部分でON/OFFする装置です。いろいろな種類や機能のスイッチがあるので、照明や換気扇などの装置に一番いいものを選び、本体と切り離した形のスイッチは最も操作しやすいところに設けましょう。
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