家づくりはいろいろなことを決めないといけません。建築士が全て得意なわけではありません。お任せになっていると、後でこうすればよかったと後悔することにもなりかねません。決定は自分でするしかありませんが、一生に一度のことで失敗は許されません。私が数年かけて検討した事項をまとめてみました。今回はシロアリについてです。ここでおさえておきたい事項は何があるでしょうか。
シロアリ駆除剤の危険性
大事な家をシロアリから守る。だからシロアリ対策を万全にして建築するためには、建築業者任せにしないで十分検討しないといけません。とかく建築業者はシロアリ駆除剤を撒いておけば対策終了となります。しかしこのシロアリ駆除剤がやっかいです。いくら自然住宅を志向しても、これをやられたら元も子もありません。有害な殺虫剤を含んでいるからです。シロアリ駆除業者は、シロアリ駆除によって健康への被害が出た家に対して、床下の土を約10cm取り除き、石灰水を撒いて薬剤の成分の中和を図っています。
シロアリの種類
中国、近畿地方の日本海側と関東地方以北にいるヤマトシロアリは地上に近い部分のみに被害を与えるので、床下の湿気対策や基礎、土台の素材や施工方法で対策が可能です。九州、四国、中国、近畿地方の南岸地域に生息するイエシロアリは、柱や梁そして2階まで被害を及ぼすので対策は難しいようです。寒冷地では被害が少ないと言われてきましたが、最近の温暖化で被害が出るようになったということです。特にシロアリは北欧のパイン、米松などを好み、湿気が出やすい床下や浴室などには用いない方が賢明です。
シロアリ対策
まずは基礎の高さを1m以上にすることです。この高さはかなり建築業者にとっては費用の面でハードルが高いわけで、せいぜい70cmくらいがやっとだと思います。高くする理由は床下の湿気対策のために、風通しをよくすることにあります。基礎が1m以上だとシロアリの被害は殆どなくなるそうです。
次に土台の木をヒノキかヒバにすることです。それも心材(木の中心部分の木材)または心持材(木の中心部分を含んだ木材)にすることです。これだとシロアリ駆除の薬剤処理が不要になるようです。(これは建築士に確認ください)更にその木に自然系のヒバ油か木酢液を塗るといいです。地面から1メートルまでの構造材には、米松などの外国産の木材をできるだけ使用しない方がいいようです。特に米ツガはシロアリがつきやすいので、絶対に使わないことです。ただし外国材でも米杉(レッドシダー)や米ヒバの心材なら、シロアリ駆除に役立つそうです。また銅がアリを寄せ付けない銅イオンを出すので、基礎と土台の間に銅板を敷くという手も有効です。
このようなシロアリ対策を打っても完璧ではありません。一番のポイントは床下を木部が目視できるような構造にして、定期的に実際に目視することです。そして何らかの異常を発見した場合に、その都度対策を打つしかありません。
シロアリのまとめ
基礎のシロアリに駆除剤は絶対に使ってはいけません。駆除剤は有害な殺虫剤を含んでいます。まず基礎の高さを1m以上にして、ヒノキやヒバなどの強い木を使用して、自然系塗料のヒバ油や木酢液を塗ります。一番のポイントは床下にもぐって定期的に目視することです。
(参考文献:コモンズ発行 健康な住まいを手に入れる本)
家の外側 他の記事
- 屋根は瓦がいい!メンテナンスフリーで軽く耐震性のあるFRP瓦も!
- 地盤改良は環境にやさしくありたい!エコジオ工法に出会いました。
- インターホンはモニター付きが主流!セキュリティ等の管理は取捨選択
- トップライト(天窓)は避けたいが、雨漏り覚悟でつけることもあり!
- 屋根の軽量化は土葺きなしのメンテナンスフリーの瓦で地震対策完了!
- 太陽光発電①は環境保全に貢献しながら、基本的に採算性もいい話です
- 太陽光発電②のパネルで屋根置き型と屋根一体型でどちらがいいか?
- 太陽光発電③のパネルの重さ、取り付け方で家へのダメージを考える!
- バルコニー(ベランダ)の方角は東向き、床材は人工木がいいと思う!
- バルコニー(ベランダ)は屋根付き、立ち上がり壁無し、広々としたい
家づくりの目次はこちら