家づくりには新築とリフォームがあるかと思います。小さいリフォムなら問題ありませんが、大きいリフォームなら新築と費用の面で大した差がないような気もします。しかし新築で本屋がある場合に本屋を壊すわけにいかないので、古い本屋が残って維持管理費が単純に倍になっても困ります。ですから多少費用がかかっても本屋のリフォームも選択肢としてはありかと思っています。
昔ながらの伝統構法でできている古民家のリフォームを検討しています。しかし古民家でこれから来るであろう大地震に立ち向かう勇気はありません。ですから住むには耐震対策は絶対に必要と考えています。伝統構法の古民家の場合は免振になっているので、現在の頑丈な家づくりの考え方ではうまくいかないと思っています。伝統構法の古民家に今の耐震基準を適用すれば、柱や壁ばかり作る必要があり、新築費用に匹敵するほどのお金がかかってしまいます。また壁ばかり作ったら、せっかくの古民家の良さがなくなってしまいます。そんな理由で耐震のメインはルームシェルターにしようと思っています。また薄暗い古民家の中に光を入れるために屋根にトップライトつけようと思っているので、同時に地震対策としての屋根の軽量化もやろうと思っています。
瓦屋根の問題
瓦屋根の場合は瓦自体の重さもありますが、昔ながらの家だと瓦を固定するための土葺き(つちぶき)の土の重さが相当なものでした。そんな瓦屋根が地震などで揺れた時にとてもバランスが悪く大きく揺れてしまう原因になります。重い帽子をかぶって歩くのと軽い帽子をかぶって歩くイメージで、左右前後に揺れが大きいのが昔ながらの重たい瓦屋根です。また揺れについては遠心力が働くため、動くものが重ければ重いほど支える部分には大きな力が加わりますし、屋根が重ければ屋根の遠心力が大きくなり、揺れが増大しやすくなります。遠心力については、手提げ袋に荷物を入れて振り回してみると分かりやすいのですが、ほぼ同じ体積となるティッシュ1箱と1.5Lの水なら重量が重い水を入れた場合の方が動きを止めるのが難しくなるはずです。建物で考えると、腕が柱、体が基礎、手提げ袋の荷物が屋根となりますので、屋根が軽くなることで柱や基礎にかかる反動は少なくなるというわけです。
屋根の軽量化
ところで屋根の軽量化は本当に耐震対策になるのでしょうか。木造住宅の耐震補強の方法の具体例としては、①壁の補強・バランスのよい配置、②接合部の補強、③基礎の補修・補強、④水平構面等の補強、⑤腐朽・蟻害への対応(部材の交換等)の5つが挙げられています。それでは、屋根の軽量化はどうかというと、⑥その他で建物の軽量化、開口部の補強、小屋裏補強、ブロック塀の対応、地盤、擁壁の安全性が挙げられ、その建物の軽量化の中に屋根の軽量化・外壁仕上げの軽量化としてやっと出てきます。なぜ屋根の軽量化対策が耐震補強でこのような低い扱いになるのでしょうか。
まず地震対策としては、耐震、免振、制振の3つがあります。耐震は震度6まで倒壊しない強度を確保することが目的です。耐震では、耐力壁(筋かい・合板など)によって、建物の強度を強くして、地震の揺れに耐えるというものです。免振は地震の揺れを逃がして躯体にエネルギーを伝えないことが目的です。免震では建物と基礎との間に免震装置を設置し、地盤と切り離すことで建物に地震の揺れを直接伝えないというものです。免震装置としては、空気浮上式や磁気浮上式、積層ゴムなどがあります。制振は制振材により、揺れや地震のエネルギーを低減させることが目的です。制震では、建物内部にダンパーなどの「制震部材」を組み込み、地震の揺れを吸収するというものです。制震装置の例としては、油圧制御方式「制振装置evoltz」などがあります。制震装置によって、地震エネルギーを熱に変えて吸収するしくみです。屋根の軽量化はこれらのどれにも当てはまらず、減振リフォームと言われています。減震リフォームとは、地震の揺れは小さくできるが、震度6まで倒壊しないとは、言えないリフォームのことです。更に、一般的には屋根の軽量化よりも壁の補強を行う方が費用や施主の手間等を考えると効率的であり、屋根の軽量化は費用が高くなり、工事規模が大きくなってしまうと言われています。つまり、屋根の軽量化はその他の扱いであり、主要な耐震補強には該当しません。実際、壁の補強をせずに屋根の軽量化するだけでは、耐震基準を満たしません。
そうは言っても屋根の軽量化が全く効果がないというわけではないので、葺き替えのタイミングで軽量化することは十分意味のあることと思えるわけです。それで屋根を軽量化するための屋根材にはいろいろなものが出ています。軽量瓦・FRP瓦・スレート・ガルバリウムなどです。しかし日本瓦程のメンテナンスフリーを達成できるものはありません。昔の土葺きの瓦から釘固定式に変更するので、葺き替えにより少なくとも屋根の軽量化の半分くらいは達成しています。そう考えると屋根材はやはり日本瓦ということに落ち着きそうです。
屋根の軽量化まとめ
土葺きの瓦屋根を地震対策として屋根の軽量化をしよう思います。屋根が軽くなることで柱や基礎にかかる反動は少なくなります。屋根の軽量化は耐震補強では耐震ではなく減振になります。屋根材としてメンテナンスフリーの瓦は捨てがたく、土葺きなしで地震対策完了です。
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