家づくりはいろいろなことを決めないといけません。建築士が全て得意なわけではありません。お任せになっていると、後でこうすればよかったと後悔することにもなりかねません。決定は自分でするしかありませんが、一生に一度のことで失敗は許されません。私が数年かけて検討した事項をまとめてみました。今回は屋根ついてです。ここでおさえておきたい事項は何があるでしょうか。
屋根材の種類
屋根材にはいくつかの種類があります。種類によって、利点・欠点が違います。代表的な瓦およびスレートや金属などがあります。
- 瓦:素材が土で、劣化しにくいので、ふき替えは殆ど不 要。色落ちや剥げはあまりない。割れてもそこだけ交換すれば済む。重いため、耐震性が悪い。高級感があり、価格は高価。
- FRP瓦:素材はプラスチックで、劣化はしにくいので、ふき替えは殆ど不要。塗装が剥げやすいため、見た目は悪くなる。ほぼ割れない。軽いため、耐震性はよい。価格は高価。
- 軽量瓦:やや劣化しやすく、20~30年でふき替えが必要。塗装が剥げやすいため、見た目は悪くなる。割れれば、そこだけ交換可能。重量は中間、耐震性はまあよい。価格は比較的安価。
- スレート:やや劣化しやすく、20~30年でふき替えが必要。塗装が剥げやすいため、見た目は悪くなる。割れればそこだけ交換可能。重量は中間、耐震性はまあよい。価格は比較的安価。
- 金属:例えばガルバリウム。やや劣化しやすく、20~30年でふき替えが必要。塗装が剥げやすいため、見た目は悪くなる。ほぼ割れない。重量は中間、耐震性はまあよい。雨音がうるさい。価格は比較的安価
屋根材で何を選ぶか
屋根は瓦が一番いいと思います。最大の理由はメンテナンスが要らないからです。でも最近の阪神淡路大震災や東日本大震災で耐震性の観点から瓦を敬遠する人が多いと聞いています。理由は瓦は重いから家への荷重負担が大きいからというものです。確かに瓦は他の屋根材に比べ重いことは事実ですが、昔から瓦屋根が重い大きな理由は瓦自体よりもふせる時の土にありました。しかし今日では瓦をふせるのに土は殆ど使いません。釘を打ってふせていきます。ですから昔からのイメージのように、決して超重量級ではなくなりました。まだこのような事実を誤解して、単純に瓦は重いから地震に弱いということになってしまっています。それよりも瓦のメンテナンスフリーなところに着目すべきと思います。外壁がメンテナンスが必要であるように、瓦以外の屋根材だとメンテナンスが必要になり、そのための費用もばかになりません。家は建築費用の軽減も重要ですが、メンテナンスフリーも同じくらい重要に思います。
やはり土の瓦が高級感もあってりっぱです。でもやはり耐震性が気になる方はFRP瓦をおすすめします。ただ両方とも高価です。特に何十年も住むつもりのログハウスであれば、コストパフォーマンスも考えて決めるといいと思います。そこで宣伝になりますが、瓦と言えば三州瓦です。ぜひ検討してみてください。
屋根の勾配
ログハウスは2階が屋根裏部屋風なので、どうしても屋根の勾配を急にして人が生活できる空間をつくります。しかし屋根の角度が鋭利であるとわかると思いますが、屋根をふせるのに作業が大変になり、危険も大きくなります。そのため通常の費用が割り増しされることが普通です。ログハウスの記事で平屋をおすすめしていますが、屋根の勾配も緩やかになるので一石二鳥です。
屋根のまとめ
屋根はやっぱり瓦が一番です。メンテナンスフリーで軽く耐震性のあるFRP瓦もあります。特に何十年も住むつもりのログハウスであれば、高価でもコストパフォーマンスも考えて決めたいものです。また屋根の勾配も平屋などを選択して、できるだけ緩やかにするといいと思います。
参考:「間取り」にこだわれば「いい家」になる ナツメ社
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