薪ストーブの煙突は断熱二重煙突を採用し、できるだけ直線で高く!

薪ストーブの性能や安全性に大きな影響を与える煙突を、煙を通す単なる筒と思ったら大間違いです。業者が設置するときは、必ず安全性や性能が発揮できる環境を考慮して煙突を設置します。排気の原理をよく理解した上で正しく選び、より暖かくより安全な薪ストーブライフを過ごしたいものです。

薪ストーブの断熱二重煙突

本体に空気を喚起するためのファンがありません。性能を最大限引き出すには、効率よく煙を排出し、空気と入れ替える必要があります。それにはいかによい上昇気流=ドラフトをつくるかがポイントになります。ドラフトに大きく関係しているのが温度差です。暖かい空気のほうが冷たい空気より軽いわけで、これが排気の原理になっています。高い断熱性能を持つ二重煙突であれば、煙突を通って排出される煙の温度(排気温度)が高温のまま保つことができ、スムーズなドラフトが得られます。



もし、十分にドラフトが発生しないと薪ストーブの燃焼室に空気が吸い込まれず、反対に煙突から本体に向かって煙が逆流してしまいます。また、ドラフトの弱い状態で使い続けると煙突にススやタールが付いてしまいます。煙突火災とは、煙道内に付着したススやタールなどに引火して煙突内部が高温になり、その熱が煙突外部に放射されることをいいます。可燃物に引火すると火災になります。強いドラフトを起こすと薪がよく燃え、部屋を暖める効果が発揮できます。強く燃えすぎてしまう場合は、薪ストーブに付いているコントロールレバーや、接続されている場合は煙突のダンパーを使えば問題ありません。

薪ストーブの煙突は直線

昔の人は煙突は縦に7割、横に3割が一番いいと言っていたらしいです。その理由は煙が煙突を暖めるので、暖かくなっている煙突を横にして室内を通すことによって、できる限り室内を暖めようというわけです。しかし最近の高性能薪ストーブではこの必要はなくなったそうです。ですから100%直線がベストのようです。ただ直線的ということになれば、2階や屋根をぶち抜くことになります。室内的に邪魔であったり、雨漏りの原因になったりします。しかしここは建築士ともよく相談して乗り切るしかないかなと思います。また縦100%だと、煙突掃除が本当に楽だそうです。ススがたまるのは殆ど横で、縦の部分はたまらないそうです。ですから煙突掃除が2~3年に1回というお家もあるそうですが、それでも安全のためには年1回ややってもらった方が無難だと思います。

薪ストーブの煙突の設置場所と高さ

煙突を設置するときは垂直方向に十分高い位置まで設置する必要があります。煙突が長いとドラフトの力は強くなりますが、煙突が短すぎると十分にドラフトできずに煙の逆流が発生してしまうからです。一般的に煙突を設置するとき、薪ストーブの上部から煙突の上部までの長さは4.5m以上必要と言われています。もし、煙突を曲げるときは横の長さをなるべく1m以内に抑えましょう。煙突を屋根に設置するときの距離も決まっています。屋根の近くは風圧帯と呼ばれ、屋根にあたった風が不規則に流れ、特に風が強い時に気流が乱れがちです。近くに煙突のトップがあると乱気流が煙突内に逆流し、ドラフトを不安定にしてしまいます。屋根を貫通させる場合、煙突のトップは屋根面から900mm以上高くし、また水平距離で3m以内に棟などの建築物がある場合は、それより600mm以上高くして風圧帯を避ける必要があります。この内容はあくまで参考にしていただき、実際には建築士や販売店とよく相談してください。

ここで留意したことは煙突の高さについて、~以上の表現になっており、もっと高くても問題ないということです。煙突自体の構造や強度の問題もあると思いますが、近所迷惑を避けるためにできるだけ高くしたいものです。また先程の雨漏りを防ぐために、雨水の量の少ない尾根に近い屋根に穴をあけ、屋根の勾配を煙突周りで持ち上げて雨水の侵入を防ぎ、周りをコーキング処理することが必要です。

薪ストーブの煙突まとめ

薪ストーブは必ず断熱二重煙突を採用して、できるだけ直線で高くしましょう。断熱二重煙突によるスムーズなドラフトで安全で効率的な燃焼ができます。またススやタールがたまりにくい直線がベストで、屋根の尾根近くにできるだけ天高く伸ばしましょう。

ストーブ 他の記事

家づくりの目次はこちら

子供の安全に意識の高い父母の方々に人気があり、選ばれ続けている安心安全な食品・日用品を紹介します。→こちら

-
-

PAGE TOP